かまぼこ・パン・珈琲から灘五郷の酒蔵まで ものづくりのまち「摂津エリア」で大人の社会科見学

兵庫県全体を1つのパビリオンに見立てたSDGs体験プログラム「ひょうごフィールドパビリオン」。そのラインナップには、“学びの秋”に合う工場見学や産業ツーリズムのプログラムが数多くそろっています。なかでも注目したいのが、港町「神戸」と、大都市とともに発展してきた「阪神間」を含む「摂津エリア」です。この地域では古くから日本酒や靴などの地場産業が育ち、ものづくりが盛んに行われてきました。
11月13日(金)から14日(土)には、神戸市内の地域産業の活性化とものづくり企業の魅力発信を目的とした、地域一体型のオープンファクトリーイベント「開工神戸」も開催されます。ここでは、摂津エリアで体験できる工場見学関連のプログラムを、食とお酒を中心に紹介します。

神戸で親しまれる味の「つくる現場」へ
まずは、かまぼこづくりの体験です。かまぼこは、魚を無駄なくおいしく食べるための知恵から生まれた伝統食品です。神戸の生田神社が発祥地だという説もあり、現在、兵庫県の生産量は全国トップクラスを誇ります。このプログラムでは、海の恵みに恵まれた兵庫・神戸の歴史や魚の栄養について学びながら、かまぼこやちくわを手作りできます。体験を通して、職人の技と味わいに触れられます。
- プログラム名:かまぼこの発祥の地神戸で手作りのかまぼこ・ちくわを作ろう
- 場所:てっちゃん工房(神戸市)
- 時期:通年(不定休)
- 料金:1人1,600円(2品目作成プログラムの値段)
- 実施主体:カネテツデリカフーズ株式会社
パン消費量が全国トップクラスの神戸では、1946年創業の「イスズベーカリー」でパン作り体験と工場見学ができます。同店は手作りにこだわり、多彩な商品で地域のパン文化をけん引してきました。プログラムでは、職人によるデモンストレーションを間近で見学したあと、バゲットや菓子パンの成形といった本格的なパン作りに挑戦します。発酵や焼き上がりを待つ間には、新作パンを試食しながら、食品ロス削減への取り組みについても学べます。
- 場所:イスズベーカリー本社
- 時期:年に2回程度
- 料金:神戸観光局が管理するWEBサイト「神戸のとびら」を参照
- 実施主体:一般財団法人神戸観光局
神戸の老舗ロースター「萩原珈琲」では、焙煎工場見学と淹れ方ワークショップのプログラムが用意されています。同社は1928年の創業時から独自のおいしさを追求し、ガス方式よりも手間のかかる「炭火焙煎方式」を貫いてきました。工場見学では、生豆が珈琲豆になるまでの工程を焙煎師が解説してくれます。窯や豆の状態に合わせて、煎り具合を目や耳で判断するという、マニュアル化できない技術を体感できます。さらに、J.C.Q.A.認定コーヒー鑑定士による淹れ方ワークショップも行われます。就労支援や働きがい、フードロス削減といったSDGsの先進的な取り組みについても学べます。
- プログラム名:神戸の老舗ロースター炭火焙煎「萩原珈琲」焙煎師の技にふれる工場見学と淹れ方ワークショップ
- 場所:萩原珈琲株式会社 焙煎工場
- 時期:年に2回程度
- 料金:神戸観光局が管理するWEBサイト「神戸のとびら」を参照
- 実施主体:一般財団法人神戸観光局

「日本一の酒どころ」で酒蔵をめぐる
灘五郷には、高品質な酒米、宮水、六甲颪、そして水上輸送に適した港という恵まれた条件がそろっていました。そのため、江戸時代から日本酒の銘醸地として発展してきました。400年にわたって伝統と技を受け継ぐ一方で、時代の変化に合わせて最上の品質を目指し、進化を続けています。このプログラムでは、蔵や博物館の見学などを通して、サステナブルな酒造りや地域活性化の取り組みを学べます。
- プログラム名:「灘五郷」でSDGs を体験~世界で最も有名な日本酒の銘醸地を味わい尽くす~
- 場所:「灘五郷」の各酒蔵
- 時期・料金:各酒造による
- 実施主体:灘五郷酒造組合
灘五郷のうち、宮水が湧き出る西宮郷と今津郷を楽しめるのが「西宮郷・今津郷」SAKEツーリズムです。江戸時代に西宮や灘の酒造家たちが築いた清酒のスタンダードは、400年にわたって伝統と革新を重ねながら、現代へと受け継がれてきました。酒蔵見学、セミナー、ワークショップ、イベントなど、体験の内容はさまざまです。酒蔵解放や酒蔵体験、地理的表示(GI)保護制度の導入など、地場産業の発展を通じた地域活性化の取り組みについて学べます。また、酒造会社と行政が連携して進める「宮水」の保全活動にも触れられます。水資源の保全、産業の発展、まちづくりを両立させる持続可能な取り組みへの理解を深められる内容です。
- 場所:西宮市内 酒造エリア
- 時期・料金:各プログラムによる
- 実施主体:西宮市

「靴のまち」長田から広がる新しい工場見学
港町として栄えた神戸市のなかでも、長田区では開港以来、多くの産業が発展してきました。しかし、阪神淡路大震災や生産拠点の海外進出によって、多くの中小企業が閉業に追い込まれました。さらに、地域内の工場同士のつながりが薄れ、住民のものづくり工場への理解も失われつつあるという課題も抱えていました。こうした状況のなか、2024年春に結成されたのが、有志グループ「潮の風」です。メンバーは神戸で長年ものづくりをしてきた工場の3代目で、神戸のものづくりを広く知ってもらうことで技術を守り、街の魅力を高めることを目指しています。このプログラムでは、長田・須磨エリアで刺繍、ガラス工芸、溶接、縫製、革加工などの技術を持つ工場が連携し、ここでしか体験できない工場見学ツアーを提供します。各工場でのオリジナルアイテムづくりのワークショップや、工場内でのジャズライブなど、ユニークな体験も用意されています。
- プログラム名:「靴のまち神戸“ながた”」が繋げるサステナブルな社会
- 場所:神戸の長田・須磨エリアの各工場
- 時期:2~3ヶ月に1回の頻度で定期開催
- 料金:各工場ワークショップ(前売)1,200円~。音楽イベント等は潮の風HPで要確認
- 実施主体:潮の風-ウミノカゼ-

「ひょうごフィールドパビリオン」とは
「ひょうごフィールドパビリオン」は、兵庫県全体を1つのパビリオンに見立て、豊かな自然や文化、暮らしを楽しみながら持続可能な未来へのヒントに出会う、【遊んで、学んで、未来につながる】新しいSDGs体験プログラムです。兵庫県は、洗練の港町「摂津」、歴史と技の「播磨」、自然美の「但馬」、豊穣な里山の「丹波」、御食国「淡路」という、歴史も風土も異なる「五国(ごこく)」から成り立っています。震災からの創造的復興、人と環境にやさしい循環型農業、豊饒な大地や海に育まれた食材、挑戦を繰り返してきた地場産業、郷土の自然と暮らしのなかで受け継がれてきた芸術文化など、各地の取り組みには世界の持続可能な発展につながるヒントが詰まっています。そうした地域に根ざした「持続可能な社会づくり」を直接体感できる約280のプログラムが、兵庫県全域で展開されています。
出典:兵庫県企画部地域振興課






